2013年8月7日

温暖化で、北極圏のメタンガスが大気中に放出されると、…!

近年、北極海の氷が融けている傾向が続いており、夏季には北極海航路が検討されているということがニュースになっています。これまで過酷な自然環境が人間が立ち入る事を阻んでいた北極の環境が変わり、生活圏として考えられるようになりました。その利点、経済的な効果は大きなものがあると思いますが、自然環境が変わるということは、別の観点から弊害も併存していると思います。 この変化は、生態系にも大きく影響します。温暖化問題は、地球の気象サイクルの一環だという説もありますが、産業革命以降、人間の活動が大きく進展し、多くのエネルギーを消費するようになりました。生活も便利で快適になり、人類は70億人を超え更にに増加を続けています。

地球終末時計では、後5分で人類滅亡という説があります。しかし、この豊かな社会・現実では、なかなか実感できません。人類は厳しい自然の中で生き抜くため先祖代々知恵を重ね偉大な進化を遂げ、自然のメカニズムを解明し、相当に克服ました。宇宙・太陽系の誕生まで予測しています。それでもまだ人類が知り得た事は4%に過ぎない、あとの96%は、暗黒物質・暗黒エネルギーで未知の領域と言われています。

孫悟空が如来の手の上から飛び出せなかった、という話に通じるように思います。

地球に生命が誕生したのは、多くの奇跡的な偶然なのでしょう。数限りない多くの生き物が生まれ、累々と子孫に引き継ぎ、進化して来ました。我々も地球上の生き物として、自然を共有してきました。父母を含め先祖代々が生きる事に真摯に向き合い、自然に怖れと敬意を抱き、生を繋いできました。将来に子孫を残すことは、生き物が最も優先すべき本能です。地球に生を受けられたことに感謝する気持ちをあらためて認識し、次世代に引き継ぐ地球環境を残すことを真剣に考えなければならない時だと思います。

人類の科学・テクノロジーの進化は、既に多くのエネルギーを消費していており、地球環境の循環バランスに影響を及ぼしています。今後更に増え続ける人口を支えられるのでしょうか?多くの科学者がいろいろな観点・データから我々が生きられる環境が保てなくなるリスクを警告しています。今、気づいた時に、できる事から始める事、ひとりでも多くの価値観を共有できる人を増やす事から変化が始まると思います。地球環境の変化はゆっくりと進んでおり、既に失いかけているバランスを回復できる保障はないかもしれませんが、あきらめる選択はないと思います。

さんぜコーポレーションは、南向き片屋根で太陽光発電の能力を最大限に活用するなど、創電。また、照明で反射笠を利用した節電・やさしい光で長寿命の無電極ランプなど賢電の提案を行っています。できる事から循環型社会への移行促進に貢献することを目指します。

以下、<日本経済新聞 2013年7月30日夕刊記事>をご参考ください。

北極圏の温暖化が進み海底から大気中に温暖化ガスのメタンが大量に放出されると、地球温暖化を加速し、全世界に60兆ドル(5900兆円)の損害をもたらすとの研究結果を、オランダと英国の研究チームが30日までに英科学紙ネイチャーに発表した。

ロシア北東部が面する東シベリア海の海底は永久凍土で、その下に温暖化効果が二酸化炭素の20倍超もあるメタンが個体のメタンハイドレートの形で埋まっている。ところが近年、メタンが大気中に漏れ出していることが判明。夏に海氷が覆わなくなり、海水や海底が温まって永久凍土が解けているためとみられる。

チームは、この地域の500億トンのメタンが2015年から10年かけて大気中に放出された場合の影響を試算した。

その結果、世界の平均気温が産業革命前より2℃高まる時期が、現在の想定よりも早い35年に到来。異常気象や干ばつ、洪水など温暖化による今世紀の世界の損害額は、これまで考えられていた400兆ドルにさらに60兆ドル上乗せされるとした。

** また、気象庁のHPから北極海の最近の情報が以下提供されています。

北極域の海氷域面積は、1979年以降、長期的に減少傾向を示しています。特に、海氷域面積の年最小値は減少が顕著で、2012年までの減少率は9.4万平方キロメートル/年となっており、近年は減少率が大きくなる傾向にあります。また、年平均値の2012年までの減少率は5.9万平方キロメートル/年となっています。
一方、南極域における海氷域面積の年平均値は増加傾向を示しており、2012年までの増加率は2.5万平方キロメートル/年となっています。

なお、2012年の海氷域面積の年最小値は、これまでの最小だった2007年の431万平方キロメートルを大きく下回り、1979年以降最小の336万平方キロメートルとなりました。また、2012年の海氷域面積の年平均値もこれまでの最小だった2007年の1058万平方キロメートルを下回り、1979年以降最小の1046万平方キロメートルとなりました。